第9話

第11話

出し物の内容は、すんなり決まり、「喫茶店とジュースバー」になった。


決定したその時、普段大人しめの女子生徒が手を上げた。


「折角だから、重厚感溢れる雰囲気にして、ジュースもカクテルの様にお客さんの好みでミックスするのはどうでしょうか…?」


その言葉に、アイカは益々、目を輝かせる。


「もしかして、バーテンダーに扮するってこと!?」


女子生徒が頷いた。


「えーッ!!格好良い!何か凄く良いと思う!!」


ー嫌な予感がする。大体、アイカが「良い」と言った物に僕は、巻き込まれるー


かけるくんもやって!!バーテンダー!!」


自分の予想が大当たり過ぎて、かけるは頭を抱えた。


ー僕は、平凡で地味だ。

笑い物にされて終わりだろうー


ネガティブな考えが、翔の頭によぎった。


そんな気持ちのまま、翔は帰宅しようとした。


かけるくん!」


アイカがかけるを呼び止める。


「何…?」


僕は思わず、冷たい返事をしてしまった。


かけるくん、自分は地味だ。って思ってるでしょ?」


アイカの言葉に、かけるは身体をピクリとさせた。


「私は、そんなことないと思うけどなぁ?

かけるくん、格好良いと思うよ?」


「えっ…?」


かけるは、顔を上げて彼女の方を見た。


「ちょっと、私に付き合って♡」


「アイカ、ジャンピングモード!!♡

アイカは、ウィンクすると、かけるを抱えて空へジャンプしていく。


「えぇ〜ッ!!ちょ、ちょっと!高いって!」


「大丈夫、もう直ぐ着くよ!」


こうして、辿り着いた場所はヘアサロンだった。

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