八
今日はなかなか寝付けなかった。いつもなら、もう眠っている時間なのに。
眠気が来ないため、私は本を読んで眠気が来るのを待つことにした。
読書にふけていると、ふすまの向こうから物音がした。すぐに頭に浮かんだのは、彼のことだった。私は急いで立ち上がって、ふすまを開けた。
そこにいたのは、黒猫だった。黄色の目が月の光を吸い込み、光っていた。猫はこちらをしばらく見ると、庭の方へ走っていき、ひょいと塀を超えて行ってしまった。
私は少しがっかりした。正夢だったら良かったのにと、一瞬考えてしまった。
ふすまの先にいたのが猫で拍子抜けしたのもあり、段々眠くなってきた。布団にもぐり、目を閉じた。今日は何も夢は見なかった。いや、見ていたのかもしれないが、何も記憶のないまま朝を迎えた。
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