第87話

「ッッ」



怯えないでと言った事に怒ったのかそれとも驚いたのかなんなのかはわからないけど目を見開き、なんとも言えない表情を作っていた。




「……っ

お前は!なんで、なんで知ってるんだ」




ふり絞ってやっと放った言葉がそれだったのか、必死にそして苦渋の表情で修二は私にぶつける。



でもそれには答える気はない。


言える事は1つだけ。




「何もしなければその秘密は誰にも言わない。それは約束するから、だからそんな泣きそうな顔しないでいいよ」




修二は今にも泣いてしまうんではないかという顔で私を見つめていた。




別に悲しそうな顔が見たい訳じゃない。



そう、あのこたちを守りたいだけなの。

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