第86話

そのままずっと見ていると、いい加減視線がうざかったのか。



「見んじゃねえよ」



小さな声で修二は睨みながら言う。



ああ、なんだろ、


一番嫌ってるんじゃない。



一番私に怯えてる。



ああ、そうか、

そういえば、修二の家も複雑だったもんね。ていうか、そっか、アレは知られたくない事なんだろうね。




「別に修二が怯える必要ないよ。

彼方たちがあの子たちに手を出さなければ私は何も言うつもりないから」



そう、別に、あの子たちに手を出さなければ言わなくていい事をわざわざ言う必要なんてないからだ。



だから怯えた目で見ないでいい。

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