第83話

「ん?ハイリからか。

アイツ出て行ったくせになんだ?

もしもし?はあ?何……ああ、あるよ、この書類を下に持ってけばいいの?おっけわかった今行く。


なんかハイリこれ必要らしいから持ってくわ」





そういって茶封筒みたいなのを手にしながら康人も部屋から出て行ってしまった。




残ったのは有野と修二だけ(トイレに譲二もいるが)になってしまったが、私には何の関係もないので、そのままぼーっと見つめ続けた。






「美味し」





有野に取り分けてもらったケーキを食べ始める修二が小さくそう漏らすと、有野は優しく微笑んでそれを見つめていた。





本当に仲が良いんだなぁ。


だったら、なんで私たちに意地悪するんだろう。

自分たちだってかけがえのない友達なら、私たちの事だってほっておいてくれたらいいのに。

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