第43話

それにいち早く声を上げたのは私でなく、修二だった。




「ハイリ!!!

何言ってるんだよ!こんな怖え女」



怖い女?

私の事?




「そうだよ、ハイリ、シュウの言う通りだよ。僕らはあの事で精一杯だっていうのにこれ以上不安要素を増やせないよ」




有野は昨日とはまるで別人。

しかも今日は一度もあの変な関西弁のような方言も使ってない。


…そこまでは"凜にい"の紙にも書かれていなかったなぁ。




「康人、譲二、お前らはどう思う?

この女は絶対これ以上話すとは思えない。

なら、目のつく場所にいる方がいいと思わないか?」



そう、山路灰利が聞くと、康人と譲二は悩んだ顔をしてから答える。




「俺はハイリが言うならそれでいいと思う」



そう康人が答えて。



「俺は正直反対だね。

こんなよくわかんねえ女を俺らの近くにいさせるなんて嫌だね、でもハイリが言うならしょうがねえとも思うかな」



っとイラっとした顔をしながらも譲二は答えた。

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