第21話

『早川・スティル・有野

ああ、スティルは愛人の母親の姓だものねぇ。知らない話だものね』





そう、それは、ユウノの秘密。



ユウノが愛人の子だという事自体秘密なのだけどそれよりも"スティル"の名は俺たちや本当にごく一部の人間しかしらない名だった。





なんで知っているんだと、俺はカッとなりもう一度掴み掛ると今度は俺の秘密まで知っていた。




俺の母親は一之瀬グループの血で、父親の方が婿だった。


そして母親が外に作ったのが俺。

ヤクザまがいな仕事をするチンピラで顔がいいだけの男だったらしい。


母親は俺を産んですぐ死にしょうがなく一之瀬の血筋のため俺を跡取りにとじじいが父親に育てさせたんだ。





こんな話、トップシークレット中のトップシークレットで家の一族でさえ少し遠ければ知らない程の秘密だった。





それを、こいつは平然と言葉にしていた。



そして最後に女は綺麗に笑い「別に関わらなければ言うつもりなかったのにね、あんまりオイタがすぎるのも考え物だね。あたしを調べるのは勝手だけど、あの子たちに関わろうとするなら、潰されるのはどっちかね?じゃあ本当にさようなら」なんて言い外に出て行ってしまった。

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