第15話

「なんでユウノの事っっ」



「てっめえ何者だ」




「なんで知ってんだよ、言えよ」




一瞬顔を青くした後に、声を荒げるその姿に、はあっと溜息をつく。


もう少し賢いと思ったのになぁ。




そんな私の胸倉をつかみ"てめぇ、殺すぞ、まじで"なんて言い放つのは一ノ瀬譲二だった。




「あら、いいの?

譲二くん、落ちこぼれの貴方のしりぬぐいをいつもいつもしてくれるとは限らないのよ?パパも忙しいのよ?」




その言葉は目を見開かせカッと怒りを見せた。




「あら怒ると本当の父親そっくりね、ヤクザまがりの彼方の本当に父親に」




そう今度は強く告げると、フルフルっと私を掴んでいた手が震えだした。




「お、お前……、」




ビクっと今度はおびえた顔を見せた。



くすくすっと笑い全員の唖然としている顔を見た後に…。





「この辺に住むんだもの、敵になりうる人の情報を知らない訳ないでしょ?」

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