第4話 初めての戦闘!初めてのレベルアップ! 

 『取り敢えずスキルの考察はこれくらいにして次はレベルを上げる方法を考えないとね、スキルレベルが上がったとはいえあくまでも上がったのは非戦闘スキルばかりだし何とか戦えるスキルを覚えたいなぁ〜、この世界って魔力がステータスにあるってことは魔法があるってことかな? だとしたらわたしもMPと魔力を持ってるんだし魔法を使えるのかな? もし使えたら戦う時に有利になるかもしれないし練習してみようかな、でもどうやって魔法って使うんだろう? そもそもMP2しかないわたしに使える以前に覚えることってできるの?』


 女は何とか魔法が使えないかとう〜ん、と考えながらアニメや漫画の魔法をイメージしてみたり魔法の名前を心の中で言ってみたりしたが全く変化は無かった。

 ちなみに、魔法の名前を心の中で言ったのはただ口がないので声が出せず言えなかっただけで恥ずかしいとか厨二病みたいだか嫌だと思ったわけではない。


 『全然ダメだ! よく分からない、よし!ひとまず魔法は諦めよう魔法を覚えるのは時間がかかりそうだし、今は少しでも速く覚えられる戦えるスキルが欲しいし』

 

 女は他に覚えられそうなスキルはないか考えた、今までの浅い経験からスキルは行動から生まれることは経験済みだ、ならば何か今できる行動の中にスキルを手に入れられそうなものはないだろうか、そう考えていた時それは突然現れた。

 女がスキルの取得について考えていたそのすぐ後ろから何かでかい生物が現れたのだ。

 正確にはすぐ後ろと言っても女からはかなり距離が空いているし現れた場所は女から距離の空いた地面の中からだった。

 本当は奴が地面から現れた時、周囲の地面が揺れて地震が起きていたのだが女は考えるのに夢中で全く気づかなかったのだ、女は考察に夢中でソイツに気づいたのは女にソイツの影が差してからだった。

 女の後ろにいたのは人間からすれば普通のサイズのミミズだが女からすれば遥かに巨大なサイズのミミズだった。

 

 『ん? 影? 何だろう、え!? なにこのデカいミミズ!! いつの間にこんなやつが出てきたの!? ちゃんと危険察知を使って……忘れてた!! 考えるのに集中してて危険察知使うの忘れてた!』


 そう女は考えるのに夢中で危険察知を使って周囲の警戒をするのを忘れていたのだ。

 本来なら今の女の危険察知のレベルなら半径4mの気配を探索することができる、これには地中も含まれるのだ、だが今回は女が危険察知を使い忘れたせいで気づくのが遅れてしまったのだ。


 『嘘、どうしようまだ戦えるスキルも持ってないのにどうやって戦えばいいの?』


 女は目の前にいるデカいミミズに気圧されて身動きが取れなかった、だが女が持っている精神耐性のスキルレベルが上がっていたことが幸いし女はまたすぐに落ち着きを取り戻し冷静になれた。


 『そうだ、ここでなにもしなかったらただ食べられるだけなんだから何か考えないと!』


 女は巨大ミミズと戦う方法を考えようとするがミミズの方は待ってはくれなかった。

 ミミズが突然女に向けて口を広げて襲いかかってきたのだ! 女は襲いかかってきたミミズから咄嗟に右に避けた。


 『うわ! 危ない、あと少し避けるのが遅かったら食べられていたかも、て言うかわたしってこんなに速く動けたっけ? いや、確か【這う】がスキルレベルが上がってたはずだからそれで今までよりも速く動けるようになったんだ!』


 女は予想よりも速く動けるようになったことに感動したがミミズはそんな女を待ってはくれなかった。

 ミミズはよほど女を食べたいのか執拗に女を狙い何度も突撃してくる、女はミミズが突撃してくるのを躱すのに必死で攻撃手段なんて考えてる暇が無かった。


『あのミミズしつこいなぁー! これじゃあ何も考えられないじゃん! このストーカーミミズ!』


 女はミミズに悪態をついて逃げ回っていた、すると突然チャンスが起こった。

 ミミズが逃げ回る女を食べようとして間違えて岩に頭をぶつけたのだ、頭をぶつけたミミズは眩暈めまいをおこして女を見失ったのだ。

 女はこれをチャンスだと思い、急いで岩の反対側まで移動した。


 『ふぅ〜、何とか隠れられた、今のうちに何か対策を考えないと、魔法スキルは全然ダメだから却下、物理スキルも覚えるのに時間がかかるから今は無理、つまり今わたしにある攻撃手段は手持ちのスキルのみってことになるんだよなぁ〜、う〜ん、今持ってるスキルで何か攻撃に使えるのはあったかな?』

 

 女はミミズが来る前に急いで考えを巡らせた、今自分が持っているスキル、ミミズの攻撃何か使えるものはないかと。

 女はそこでふと思い出したアメーバの中にやばい奴がいたことをそしてミミズの攻撃を利用すれば今のスキルでも勝てるんじゃないかと。


 『ただ、わたしの考えが間違っていたら死んじゃうんだよなぁ〜、いや! 女は度胸だ! やってやろうじゃん!』


 女は自分の考えた作戦を実行に移すことにした、まず女はミミズのいる岩の反対側へと戻りミミズに相対した。

 ミミズは探していた女が戻ってきたことに気づきまた女に向けて突撃してきたのだ、女は今度はミミズの攻撃を避けようともせずそのまま待ち構えた、そして女はミミズに食べられてしまったのだ。

 ミミズはようやく食事をできたことに満足したのかまた地面に潜ろうとした、だがその時ミミズが地面に穴を開け潜ろうと口を開けた瞬間、突然ミミズが体を硬直させいきなり暴れ出したのだ。

 ミミズが突然暴れ出してから数分が警戒した頃ミミズは今度は突然暴れていた体を地面に倒しそのまま動かなくなってしまった、そして動かなくなったミミズの口から食べられたはずの女が現れた。


 『いや〜、一か八かの賭けだったけど何とか上手く言ってよかったよ、まさかわたしにこんなことが出来るなんてね』


 女は無事にミミズの中から帰還を果たした、それどころかミミズと戦い倒したことでかなりの成果もあったのだ。


 『ミミズを倒したからレベルが上がってるし、ちょっとどれだけ強くなったのか確認してみよう』

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