第42話

「ここを一歩出た瞬間からお前は別人になるんだもんな」



「ふふ、いつも見てきた光景でしょ?」



「ああ、そうだな……行くか」



「うん」




そういって、シンコちゃんに絡めた手に少し力を入れてから大きく深呼吸をした。



そして一歩一歩、歩き始めて、美容院を出る。





まだほんのり明るいが、それでも、人々は夜の住人たちへと変わりつつあるこの時間。



もう、誰かと出会うかもしれない。

どこで誰に見られているかわからない。

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