第七話◇気持ちを新しくして、書類審査!

「ふーっ、新しい気持ちで、やってみよう。」


自分自身に言い聞かせ、応募ページを開く。


「まず、志望理由。うーん___、とりあえず、茉莉花さんを見て、Vtuberと言うものに興味を感じました、と挫折した時、茉莉花さんを見て勇気づけられました。

自分が推す番になってみたい、と思いました。とかで良いかしら?」


うーんと手を当てて、悩む。どうしたら受かるだろうか。

まぁ、近道なんてないだろうけれども。

情熱。どうやったら伝わるだろうか。


(あ゛ー、難しいわね!!)


今まで数回応募してきたが、ことごとく不合格。何が足りないのだろう。

答えは自分の中にある。

「情熱」が届いていない。


なら、どうやって届ける?、問題が、それだ。


「はぁ、難しいわね、でもそれほど小さい門なのでしょうけれどもね。」


倍率がとんでもなく高い。それまあ受かる確率も低い。だといえば、不合格で当然なのだろうけれども、「少ないが、受かっている人はいる。」それ証拠。

どうすれば良いだろうか。


文章を紡ぐだけ。しかし、それだけがこんなにうまく行かない。

たったそれだけのことなのに、それだけのことじゃない。


(自分の情熱を、文章に表すのって、想像以上に難しいのね。)


問われているものを、じっくりと読む。


「とりあえず、書いてみるかしら。次は、タレントになったら何をしたいですか。ね。」


何がしたいか。それはまぁ、他のメンバーとも交流を深めてゲーム実況をしたり、ライブをしたり。

しかし、それだけでは受からないことなどわかっている。どうやったら心に響くか。どうしたら、印象に残るか。

普通ではダメだ。それで受かるわけがない。リアブイは、みんな個性豊かだ。


普通じゃ通用しない。

私だけの、私の答え。それを書く。


志望理由


まずは、これだ____。

「志望理由」。1番大切と言っても、過言ではない。なぜリアブイがいいのか。Vtuberになりたいのか。


自分を突き詰めて、考える、なぜなりたいか。どうしてなりたいか。


(挫折したところを、茉莉花に救われた。私も、救いたい。楽しそうだと思った。今度は、推す番になってみたい。これを、どうやって文章かするか、ね。)


必死に考える。

私だけの、考え。他の人を圧倒できるような、理由。


(いいや、自分のしたいようにしてみよう。通らなかったら、またやり直したらいいわ。)


絶対に、受かってみせる。

強い志を持ち、入力していく。


落ちたら、やり直したらいいだけ。


前に進めるまで、ずっと歩く。

Vtuberに慣れるまで、歩き続ける。諦めない。情熱を熱く持って。


サクサクと打ち進める。自分の情熱を、ただ単に吐き出して。


打ち終わり、


(次〜!)


次の項目は。

「タレントになったら、何をしたいですか。」

タレント。つまり、所属したら何をしたいか。これは、志望理由に似ているなぁ、と思う。しかし、聞かれていることは違う。

Vtuberになぜなりたいか。

これは、なったら何をしたいか。

似ている。しかし、いちいち質問したということは、悟る部分がある。

似ているが、それなりに点数が高いだろう。


(リアブイに入って、やりたいことね____。)


悶々と考える。やりたいこと。

やっぱり_____、


「茉莉花に感謝を伝えたいわね。」


これだ。挫折したのを支えてもらった。そして、受かったのなら______、伝えきれない感謝が溢れかえる。挫折した。しかし、再び立ち上がって、道を歩き始めた。

茉莉花のおかげ。


コラボ____したい。

この願いは、リアブイでしかできないこと。茉莉花がいる、リアブイでしか。


これだけでは、

足りないだろう。もっと他に_____、何か。

リアブイならではの。


夢を、目標を考える。

技術力が高いから________、その技術を使って、今までにないことをしたい。

リアブイ、リアリティブイチューバー。


視聴者と、よりリアルを共有する。

リアブイの意思に沿って、リアリティを。

事務所が掲げることに基づいて考えるのがいいだろう。

そう、たとえば_____、「ライブ」。


個人Vtuberでは、絶対にできない。

事務所が、あるからこそ。

ライブ。本物の、アイドル様に、慣れるだろうか___。

いや、なれるか、ではなく、なる。

目標が折れぬように、しっかりと掲げて


アイドル、それもいいかもしれない。ライブをして、実際にライブ会場へ足を運ばなくても、入れるライブ。そして、たくさんの人に希望を届ける。

少しでも、希望を届けたい、それを叶えるのに、アイドルはいいだろう。

Vtuber配信をしながら、アイドルをする。たくさん、希望を届ける。


希望を、届ける。推してもらって、希望を届けたい。


(よし_____、打ちこもう。)


応募ページを見つめる瞳は、揺るがぬ意志を抱えて。

打ち込む指は、至って真剣。


そう、私は、本気でリアブイに入りたいのだ。

誰に、何を言われようが、希望を届けたい。


(絶対に、受かってみせる_____。)


***


全ての項目を書き終え、送信する。


「受かりますように_____。」

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