冷静さ
「匡高! 何やってんだ!」
「おいやめろ!」
騒ぎを聞きつけたのか、男性2人がこの部屋に入ってくる。
「また一馬が喧嘩を吹っ掛けたんだろう?」と、2人を引き離し、一馬さんを押さえた人が「いい加減やめろ」と窘めた。
“ また ”
なるほど…。
覗かれた時の棘のある言い方と言い、温厚そうな高森が怒った事といい。
お見合いとこの偽装の結婚、一馬さんと、名前が挙がっていた “ 哲弥 ” と言う人。
高森の彼女を巡って、何かがあったんだ。
呼吸が荒いままの高森を見れば、一目瞭然だ。
一馬さんの事をジッと睨むように視線を逸らさない。
でも、マズいよね。この状況。
一族の集まりとは言え、高森と私の婚約を披露した場でもあるんだし。
別な女性の話で喧嘩になるとか、あの猛者達に知られたら大変なことになりそう。
お義父様もお義母様も、何を言われるか…。
「匡高さん、大丈夫ですか?」
こんな時高森に凄く熱を上げている人なら、別な人を想っている事を知ってショックで帰っちゃうんだろうけど。
そこは契約ですから。
うまくやり過ごさないと。
「…、すみません。みっともないところをお見せしてしまって」
ハッとしたように、反省の意を述べる高森。
状況が読み込めなくなるほどカッとしちゃったんだね。
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