褒め言葉
「出来れば、最初に言ってほしかったです。情報を教えてくれればもっとうまくやり過ごしたんですが…」
「そうですね。すみません」
想像してたより素直に謝られると、それ以上は追求しなくてもいいかと思った。代わりに、「それにしても…」と、気になることが口から出そうになる。
「何か、気になることでも?」
「あ~、あの…。毎年毎年こう言うのがあるから、皆さん敬遠して結婚されないんじゃ…?」
値踏みをするようなあの目付きは、私のように神経が図太くなくてはメンタルがやられそうだ。
相手の女性もこれでは気の毒になってしまう。
「沢山の視線が不気味過ぎて、態度に凄く迷ったので。高森さんの話を聞いて納得はしましたけど」
「そうかもしれませんね」と、高森は話の内容とは合わない、爽やかな笑顔で返答する。
続けて、
「でも流石、水川家のお嬢さんです。行動に品がありましたよ。僕の見立てに間違いはなかった」
高森はハスキーボイスの声でそう言っては褒めちぎる。
微笑む表情と声に、苦情を口にしたこちらが思わず赤面していると自覚していた。
あのワインおばさんと同じ反応だ~!
その恥ずかしさから高森の言葉に俯く。
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