第91話

俺が俯いてしまうと、ぽんっと背中をたたかれた。



ん?っと振り向くとそこには、強い瞳をしたハイリがいて。



「暗くなるな、まだここが底辺だ。

俺らは始まったばかり。

ここから這い上がるんだ」




そんな言葉を放つハイリは、あまりにもかっこよく見えた。



ハイリだって傷ついてるの決まってるのに、それでも俺らを見て、そう言える事も。


そして何より、這い上がると言い切れるところも全てかっこよかった。

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