第63話

なんだよっあれ、なんなんだよっ。


まるで、そこにいるのが当たり前みたいに、阿佐谷さんはいて…。


しかも、すげえ美咲が幸せそうで…。




クソっ。




「お、きたか。

美咲が肴作ってくれたから、これ持ってけ」



歯をぎりっと音を立てるように、悔しい顔をしてしまっていたと思う。


それをユウノが隠してくれるようにした。



そして小さな声で、俺にだけ聞こえるように。



「シュウ、それじゃあ負けた顔だよ」




ああ、ユウノは俺がこんな顔をしたから庇ってくれたんだ。

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