第62話

ああ、そっか気がきかなかったな。

俺らの分までグラスってなると一人で持てないか。



「あ、俺行きますよ」



俺がそう言うと、須藤さんがいいの?って顔をしたので。



「大丈夫です」



一応、お邪魔させてもらってるんだからな。



「あ、じゃあ僕も手伝うよ。シュウ」



そうユウノが言ってくれたので、二人で阿佐谷さんが呼んできた方へ行く。






「やだ、凜にい。つまみ食いしないでよ」


「美味え」


「本当?これこないだテレビでやってたんだ」


「まあお前が作るもんならなんでも美味いけどな」


「凜にいの料理もおいしいよね」


「あ?そうか?じゃあ次の休みは俺が作るよ」


「本当?嬉しい。休みとれたの?仕事平気?」


「おお、大丈夫だ。

最近忙しくて悪かったな」


「ううん、ううん、嬉しい」


「お前のそんな顔見れんなら毎日ここにいてえよ」




そんなふうに喋りながら、それはそれは二人が幸せそうにしていた。


阿佐谷さんは美咲の頭を撫でながら…。

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