第57話
そして美咲は俺たちが持っていたスーパーの袋などを取り、笑顔で。
「じゃあ作ってるくるから、少し凜にいたちとそっちにでもいてよ。
わからない場所とか質問とかあれば凜にいに聞いて」
美咲の笑顔は好き。
でも今の言葉は胸が痛む。
なんでも阿佐谷さんなら知っている、そう言われているのが、嫌だった。
それでも、美咲を心配させたくないから、うんっと頷いて阿佐谷さんの方へ行った。
「雅人、お前キョロキョロすんなよ」
クスクス笑いながら、須藤さんに喋りかける阿佐谷さん。
「ハハ、なんだか普通に考えると凄い光景だよね」
そう呟いたのはヤスだった。
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