第55話

「おかえり美咲」



「ただいま凜にい」




そんな細やかな言葉でさえ、なんだかイラつきそうになったが、気のせいだと何度も言い聞かせた。




「ようこそ、我が家へ」



美咲がそうクスクス笑いながら、部屋へ通してくれた。




「お邪魔します」



そう全員が言いながら、チラチラを中をやっぱり見てしまう。




「凜太郎さん!これ有名な地酒が手に入ったから、後ねミサキに選んでもらったワインと俺がセレクトしてきたのっ」



そう嬉しそうに須藤さん、阿佐谷さんに渡していた。


そしてそれを、クスっと嬉しそうに受け取る阿佐谷さん。




ああ、この二人には何かライバルというより子弟関係とかに近いんだ。


須藤さんが、阿佐谷さんを尊敬してるんだ。


須藤さんはあんなにヤキモチ焼きなのに、どうして阿佐谷さんの側にいれるのか少しだけわかった気がした。

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