第54話

「大切な人たちだもん、信じてるからいいのよ」




そう微笑んでから、美咲は8ケタの数字を言葉にした。



多分俺はその数字を一生忘れない。



そしてさっきまで、あんなに暗かったはずに俺たちの表情はあっという間に笑顔に変わっていた。




美咲はわかってなのか、自然なのか、わからないけど、こうやって俺らをすぐに笑顔にするんだ。




そんな事を思っているとすぐに最上階についてしまった。



そして、インターフォンを押して出てきた阿佐谷さんの姿に少しだけ、胸がぎゅっとしたけど、それでも、俺らだって暗証番号を知ったんだっとなんでかそんな事を自分自身に言い聞かせていた。

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