第53話

その後エレベータの中で美咲が簡単に説明してくれた。



「エレベーター3つあったでしょ?

最上階の家にいくにはこのエレベーターでしか行けないの。


しかもね、エレベーターに乗って最上階のボタン押した後この暗証番号入れないと行けないようになってるんだ」



最上階が全部美咲の家だから、そうなってるらしく。確かにエレベーターの中には階を押すボタンの下に暗証番号をいれる場所があった。




それでも、皆なんだか暗い表情のままエレベーターの中にいた。


美咲はそれに気づいたのか、気づいてないのかわからないが…。




「今からその暗証番号言います!

皆忘れたら家入れないよ?」



クスっと笑ってそんな事を言いだすんだ。



「え?俺たちにそんな大事な番号教えていいの?」



そう声を出すのはヤスだった。

それはきっと俺たち全員が思った事だった。



「いいも何も、貴方たちに教えない理由がないでしょ?


それにエレベータで上行ったからって一応ちゃんとドアにも鍵あるしね」



そう言われたが、それでも、これだけ厳重にされてるマンションを選んでるのには理由があるだろ?


それなのに、俺らに教えていいの?美咲。

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