第25話

「毎日毎日多分死にたいって気持ちが1ミリもなかったと言えばきっと嘘だと思うよ。


でもね、それでも死のうとした事は一度もないんだ。

負けたくなかった、私の人生だもの。

私は自分の人生を誰かのせいにして終わりにしたくなかった。


これは運命だった、そう何度も言い聞かせて、働いたの。


毎日絶望するくらいに男が嫌いになりそうだった。


欲望だけで見られた事ある?

舐めまわすように見られたり触られたりした事ある?


何百って札束で買おうとされた事だってあるんだよ。


それでも身体だけは売らなかった。

それは自分の為。

そんな馬鹿で汚い人間に自分を差し出してまでお金を得ようなんて思わなかった。

それに銀ちゃんがわざわざ、私の身体を売らないで済む方法をくれたのに、それを無視する事も出来なかったから。


毎日毎日生きる為だけに、考えた。

どうやって男に金を落とさせるか。


そんな日々、私が男を人間を嫌いにならなくて済んだのは凜にいのおかげなんだ」




皆が私の言葉を真剣に聞いているのがわかった。


雅人さんまで、真剣に私を見つめていた。

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