第18話



じゃなくて。



小さい頃やっぱ俺は柏木さんと会ってたわけだ。



それも「べったり」と言う程、かなり親密な(?)仲であったってことで……



俺の初恋は―――






柏木 瑠華?





そんなことを考えて顔を青くしていると、



「会長はあんたと違ってジェントルマンなのよ。そんなつもりじゃないわ」



「ジェ…それは見た目だけだ!紳士を装ってるだけだっ!!お前はいいのかよ!?お気に入りの親父が他の女と食事だぜ!?」



「……別に、いいわよ」



「…何だ、お前やっぱ桐島のこと諦めてなかったんだな。話ってのはそのこと?」



「ちょっと違う…」



綾子は少しだけ顎を持ち上げると、指を当てた。



黒い長い髪が肩で揺れる。



あれ?



こいつ今日なんか雰囲気違う。



いつもまっすぐのストレートなのに、軽く巻いていあるし、白いスーツの下に着ているインナーも淡いピンク色をしていた。



化粧も…いつもより大人しめ…



「何だ、今日は雰囲気違うな。俺はそっちの方が好き…」



と言いかけては!となった。



「…綾子、まさか……。いやいや、俺には柏木さんという大切な女が」



「誰があんた仕様だって言ったのよ!!」



綾子がムキっと怒った。



「え?違うの??だって俺の好み……」



と言いかけてまたもはっとなった。








俺の好みと言うことは、つまり“あいつ”も好みだと言うことだ。



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