■Rule(ルール)

第19話

■Rule(ルール)




ま、まさか綾子が“あいつ”を……?



ありえねぇだろ…



この間だって喧嘩してたし。



それに“あいつ”は同期だし…って関係ないか。桐島も同期だ。



でも桐島がダメだったからって“あいつ”に転ぶ??



あいつだけは(俺もだけど)男に見えないって言ってたよな??






俺が言うのもなんだが、綾子は決して気が多い女じゃない。



どっちかって言うとガードが固い方で、それなりに美人でモテるのに、振られた男は数知れず。






まさか……ね。




そんなことを考えながらも、俺たちは二人で近くの居酒屋に移動した。



奥まった座敷に落ち着くと、ビールと軽いつまみを頼んで当たり障りのない会話をしていた。



話したいこと、が何なのか知りたかったが綾子から切り出してくれない限り、俺から聞くことはできない。



おかげさまで、いつの間にか親父と柏木さんが食事に出かけたということは、忘れかけていた。




そのうちに



「お待たせ」



と背後から声が聞こえ、振り返るとぎこちなく笑顔を浮かべた裕二ゆうじが登場した。






半分…いや半分以上想像していたことだし、このメンバーで裕二が合流することに別に違和感はないけど。




だけど俺は綾子の言う「話したいこと」の内容に薄々気が付いていた。




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