第10話

何処か危険な香りがする。


男は私の断りなく、前のスツールに座って来た。

そして、私の眼鏡を奪った。


「何するんですか!?」

私は不躾な彼に抗議する。

「・・・眼鏡ない方がキレイだぞ…お前」


「・・・」


彼はすぐさま私に眼鏡を返す。


「渉が気に掛けていたぞ…お前が義理の妹の佑月だろ?」

「貴方…渉さんの??」


「・・・俺は伊澤和(イザワカズ)・・・渉の中学の同級生・・・」


「へぇー…」


「探して欲しいと言われたから…探しに来た…」

「私は行きませんよ…」

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