第5話

私の胸は彼の微笑にギュッと締め付けられ、苦い思いで満たされる。


このまま…この想いを渉さんに告げず、封印してしまうコトに抵抗を感じていた。



でも、彼に想いを告げても、答えは決まっている。


渉さんは千寿子と今から永遠を愛を誓うんだからーーー・・・



私達は控室を出て、式場に向かった。


私は母の嫌う眼鏡を外してバックに仕舞った。


美しい花で飾られたチャペル内。

十字架に伸びる緋色のヴァージンロード。


「ちゃんと 外したのね…佑月」


「まぁね」


二人が並ぶ姿を見たくなかった。


ただそれだけ・・・

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