第81話

それでも、右京の中では何か強い芯のようなものが一本通っているのか、



「松野さんがシャンプーを担当したっていう、その川上って女子の特徴を教えてもらえませんか?」



今度は強い眼差しで、真っ直ぐに武巳を見据えた。



結局、武巳から聞き出した情報は右京の知っている川上と完全に一致して。



「“今度二人でご飯行きましょう”って連絡先書いたメモももらったっけな」



ついでに、武巳が川上に逆ナンされたという情報も手に入って、右京は心の底から呆れ返った。



「……食事、行くんですか」



右京が念の為に訊ねてみると、



「行くわけないだろ。美紅一筋なのに」



鼻で笑われてしまった。



ここまで堂々と言われては、右京も思ったことを言うしかない。



「両想いだって分かってるのに、美紅に告白しないんですか?」



もういっそのこと、付き合ってイチャイチャしているところを目の前で見せつけてくれた方が、右京だって美紅のことを諦められるかもしれないのに。



なのに当の武巳は、



「うーん……」



何故だか渋い顔をする。

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