第24話
――昼休み。
四限目終了のチャイムが鳴ると同時に、財布を握り締めた天野が凄い勢いで教室を出て行ったので、美紅は机の上に持参してきた手作りの弁当と水筒に入れたお茶を出して天野の帰りを待っていた。
美紅はいつも自分で弁当を詰めてきているので購買を利用したことはないが、あそこにパンを買いに行くのは戦争に向かうのと同じことらしい。
何でも、焼きそばパンとメロンパンが絶品で毎日取り合いなのだとか。
今日が実は16歳の誕生日だと話していた天野は、今日の昼食は絶対にその2つをゲットしたいと意気込んでいた。
天野の帰りを待っている間に、彼女の好きなフルーツ・オレでもプレゼントするか、という考えに至った美紅は、机の横に掛けている鞄から財布を取り出して席を立った。
廊下に出て少し歩いた所にあるパックジュースの自販機で、フルーツ・オレと自分の分のいちごミルクを購入する。
その二つを取り出し口から取り出していると、
「間宮、ごめん……」
背後から聞こえた天野の申し訳なさそうな声に、美紅は慌てて振り返り、
「え……?」
天野と一緒にいる右京の姿を認めて、困惑した声を出した。
「欲に負けた……」
そんな一言を漏らした天野の後ろでは、右京が腹黒そうな笑みを浮かべている。
その手には、焼きそばパンとメロンパンの入った袋が。
「
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