第7話

一瞬で力の抜けた舞の体を、友季がソファーの上にそっと押し倒す。



背中のファスナーを全開にされたお陰で緩んでしまった衣装の胸元に、友季の右手がするりと滑り込んだ。



「ひゃうっ!?」



初めての感覚に、思わず変な悲鳴を上げる舞。



「……嫌か?」



友季が悲しそうな目で舞を見つめるので、



「……」



舞は両手で口を押さえて首を横に振った。



……いつの間にか、舞が持っていたはずの杖はソファーの下に転がっている。



「嫌じゃないなら、もう少しだけ……」



友季のごつごつした大きな手が、舞の胸元を優しくまさぐる。



「……ん、んっ……」



「……はぁ……」



友季は幸せそうな溜息を1つだけつくと、



舞の胸元からそっと手を抜いた。



そのまま、舞の頬に優しく手を添える。



キスをする前の、友季のいつもの癖。



その“キスしてもいい?”の合図に、



「……」



舞は黙ったまま両手を口から離して、静かに目を閉じた。

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