第75話

「ゆづ……ゆづ……!」



ナオくんが腰を小刻みに動かしながら、何度も私の名前を呼ぶ。



求めるようなその声にちゃんと応えたいけれど、



「……!」



私は自分の声を抑えるのに精一杯で。



それが気に入らないのか、ナオくんは私の感じやすいところを探るようにゆっくりと動く。



私の胸とシーツの間に滑り込んできたナオくんの手が、膨らみをゆっくりと揉みしだいてきた。



その間も、ナオくんの腰の動きは止まることがなく、



「ん、あ……っ」



自分でも驚く程の大きな声が漏れた。



「……今ので10ヶ所目、だな」



あちこちを同時に攻められているので、どこのことを言っているのかは分からないけれど、



「『ゆづ検定』一級、合格?」



「……っ」



今、そんなことを聞かれても答えられるはずがないのに。



「ゆづ?」



一旦ギリギリまで引き抜いたナオくんが、一番奥まで一気に挿れてきて、



「んぁ、あ――っ……!」



耐えきれず、つい叫んでしまった。



そのまま気を失ってしまった私には、この後どうしたのかの記憶が全くなくて。



ナオくんも絶対に教えてはくれないので、結局どうなったのかは、永遠に分からず仕舞いだった。

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