第68話

一人暮らし用のアパートのバスタブの中は結構狭い。



その狭いバスタブの中でナオくんに後ろから抱き締められて、



「……っ」



ナオくんが指を動かす度、私の肌に舌を這わせる度に、無意識に体がびくんっと跳ねる。



何も感じていないフリをしたいのに、バスタブの中のお湯は、私が体を震わせる度にちゃぷんっと揺れた。



「……はぁ……」



浴室内は声がよく響くので、変な声を上げないように必死で耐える。



「ゆづ」



甘ったるい声を紡ぐナオくんの唇が、私の耳たぶを甘くんだ。



それと同時に、ナオくんが私の中に入れた指を軽く曲げる。



「ひ、ぅ……!?」



一際大きくびくっと反応してしまって、バスタブ内のお湯が大きく波打った。



「あれ? もうイった?」



ナオくんが意地悪そうな笑みを浮かべて、私の顔を後ろから覗き込もうとする。



「……」



そんなに簡単に達してしまったなんて認めたくなくて、慌ててナオくんから顔を背けると、



「ゆづってば」



いつの間にか2本に増やされたナオくんの指が、私の内側を指先で少し強めに擦り始めた。



「やっ……!」



ナオくんから与えられる快楽に反応するよう、すっかり調教されてしまった私の体は、いとも簡単に絶頂を迎えてしまう。

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