第67話

「……ちなみに聞きたいんだけど」



ナオくんが私を抱き締める力を緩めて、私の目を覗き込んできた。



「『ゆづ検定』があるとしたら、俺は何級だと思う?」



私で『ナオくん検定』準一級なので、



「……準一級、かなぁ?」



流石に一級なんてことはないと思う。



「ふーん……これで準一級、ね」



途端に不服そうな声を出すナオくんに、何だか嫌な汗がたらりと垂れてきた。



いつものように、ひょいっとお姫様抱っこをされて、



「じゃあ、今から一級の審査してよ」



そのままバスルームへと連れて行かれる。



「へっ!?」



「ゆづのイイ所を連続で10ヶ所以上当てたら一級合格ってことで」



「待って、以上って何!? 10ヶ所でも多いのに!」



「この際、ついでに記録も目指そうかなって」



とても楽しそうに微笑むナオくんが、私には悪魔にしか見えない。



「しかも、なんでバスルームなの!?」



「俺もついでに風呂入りてぇし」



「じゃあ1人で入ってよ!」



必死に抵抗してみるも、ナオくんは慣れた様子で私の服を脱がしていく。



私が恥ずかしがって身動きが取れなくなることを見越してのこの行為に、



「……っ」



ナオくんの作戦通り、私はやっぱり動けなくなって。

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