第64話
「えっ、分かんねぇの? もしかして、俺の気持ち全然ゆづに伝わってない?」
わざとらしいくらいに大きく反応してみせたナオくんは、ソファーの上で私を押し倒した。
優しいキスが沢山降ってきて、
「んっ……ナオく……」
すぐに甘い吐息に変わる私を、ナオくんがぎゅっと優しく抱き締める。
「ゆづ……愛してるよ」
「私も……ナオくんのこと愛してるよ」
とろんとした目でナオくんを見上げると、彼は真剣な眼差しで私を見下ろしていて。
「俺がその指輪のお返しとやらに何を望んでるのか、準一級のゆづになら分かるよな?」
「え……っと……」
ナオくんと一緒に過ごすうちに、彼には物欲というものが
そんなナオくんの望むものといえば……
「……抱かせろ、ってこと?」
どうしても、他に思い付かない。
「……ゆづって、もしかして俺のこと性欲の塊だとか思ってる?」
ナオくんはショックを受けたようにがっくりと項垂れた後、
「言っとくけど、俺が自分からそういうことを望んで迫ったの、ゆづだけだから」
鋭くて真剣な眼差しで、私を真っ直ぐに見据えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます