第47話
「それ、おにぃの高校の時の第二ボタン」
――おにぃの高校の時の第二ボタン……
私は知佳ちゃんの言葉を頭の中で
「えぇぇぇ!?」
「はぁぁぁ!?」
ナオくんと一緒に、驚きで声を上げた。
「なんでお前がそんなもん持ってんだよ! つーか、なんでストラップなんかにしてんだよ!?」
ごもっともな質問で
「え。おにぃの学ランのボタン全部外してストラップにして、欲しがってた在校生に売ったから」
知佳ちゃんは悪びれた様子もなくケロッと答えた。
「だっておにぃ、ボタン下さいって言ってきた子の告白、ことごとく断ってたから。余ってるならいっかなーって」
「……」
呆れて絶句するナオくんを前に、
「あ。予備のボタンは新しく買って学ランには付け直しといたから、あの学ラン自体はちゃんと近所の後輩に再利用されてたよ」
知佳ちゃんはやっぱり何も気にしていない。
「意外と高値で売れたから、予備ボタンの額以上は余裕で稼げたよ」
「お前……我が妹ながら
「むむっ。流石に可哀想だと思って第二ボタンだけは残しといてあげたのに」
本気でムッとする知佳ちゃんに、
「そんなの今更どうしろってんだよ」
ナオくんは、くだらないとばかりに溜息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます