夢という名の憧れ
第43話
知佳ちゃんが私に渡したいものがあると言うので、私はまた間宮家のお宅にお邪魔していた。
「探してくるから、おにぃの部屋でちょっと待ってて!」
と言われて、知佳ちゃんの部屋の隣にあるナオくんの部屋でお茶をご馳走になりながら待つことに。
必要な私物は全部一人暮らしをしている部屋に運び込まれているので、なんとなく寂しい印象を抱くナオくんの部屋。
主のいなくなった室内は、それでも毎日きちんと掃除をされているみたいで埃一つ落ちていない。
綺麗なラグの上に、ベッドを背もたれ代わりに2人で並んで、くつろぎながら待つ。
あれからしばらく経つけど、
「アイツ、何やってんだ?」
壁の向こうからガタガタと騒がしい音が聞こえるだけで、一向に終わる気配がない。
ナオくんのシャツとスラックス姿を
「ねぇ。ナオくんの卒アルとか見たい」
なんとなく学生服を着ていた頃のナオくんを思い出して、そうお願いしてみた。
「え? そんなの見てどうすんだよ」
ナオくんはそう言って首を傾げながらも、ベッドの隣に置いてあった本棚の中から、小・中・高、全ての学校の卒業アルバムをまとめて掴んで引っ張り出した。
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