第18話
今日は店長に出してもらった
コーナー別売り上げ表を見ながら話をする。
「これ、考えやすいです。佐藤さん流石社会人ですね」
「相場さんが就職したら先輩が教えてくれるよ」
「こうしてみると専門書コーナーは売り上げ低いんですね」
「単価はいいけど、一度買うと次はなかなかね。
あと、おいてある数の違いもあるし。
ここはファミリー向けを充実させてるから」
「佐藤さんと話してると勉強になります。
なんか頼れる感じです」
なんてこと言い出すんだ。
顔見れなくなるだろう。
「年のこうってやつさ」
「私、緊張しいなんです。
でも佐藤さんは話しやすい。
きちんと聞いてくれてるって思うから」
「おじさんは聞くだけだからね。
若い子の話の中の単語もわからないくらいだし」
「私も聞いててわからない言葉たくさん出てきますよ」
「そうなんだ。おじさんに話合わせなくていいんだよ」
「そんなこと言わないでくださいよ。
合わせてなんかしてないのに。
あまり壁を感じなくて、もっと話したかっただけなんです」
おいおい。おじさんを揺さぶらないでおくれ。
「それは光栄だ。こんなモブおっさんに
可愛い子からそんな言葉を頂ける日が来るなんて」
「私は可愛くないし、佐藤さんはモブおっさんじゃありません」
「おじさんから見たら相場さんは可愛いと思うよ」
「からかわないでくださいよ」
「いや、からかってるつもりはないよ」
「もう。しりません」
「仕事の話に戻ろうか。ここがね…
ふぅ。なんていう展開だよ。
俺絶対きょどってたぞ。
本当に好印象持っていてくれたのかな。
いや、それは仕事仲間としてだ。
間違えるなよ。
モブらしく過ごす。これ大事。
疲れたなぁ
今日もフードコートにしよう。
家に着きルーティーンも終わりパソコンを立ち上げる。
試し読みをチェックする。
う~ん。頭に入ってこない。
rioのところへ…
揺さぶられた日に見たらヤバいんじゃないか。
マンガを読む。
駄目だ。ギブッ ポチっとした。
「今日可愛いって言われたんです。
凄く嬉しかったんだぁ。
だけど、私は可愛くないって言っちゃって。
私はダメダメな性格です。
可愛いって。ありがとう。
頑張ってるじゃん。そう、頑張ってるの。
だから褒められたら嬉しいけど
慣れてないからどう返していいかわからなくなっちゃうの」
グハッ
「その人彼氏?って違います。
バイト先の話しやすい人なんです。
彼氏いないですから。
包容力?なんか見守ってくれてるような。
そんな気がする人なんですよ。
俺たちも見守ってるぞ。
そうです。お兄さんたちに愛されてこそrioです。
だってお兄さんたちが励ましてくれなかったら
rioはたぶん…
この先は内緒だよ」
もうだめだ…
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