第17話
最後にくらっちゃったな。
違うし、関係ないしって一生懸命思ってたのに
やっぱり!発言されてしまった。
つい発泡酒を多く買ってしまう。
家に着きルーティーンをこなし発泡酒を開ける。
から揚げをつまみながら試し読みを見る。
不倫物か。
女性誌だからきれいな描写だと思ってたが
なかなかに過激じゃないか。
上司との駆け引きを体を使って楽しんでる。
男を食って成長する話なのか。
これは俺も続きが気になる。
この女医さんのマンガ、どこかで見たような気がする。
ドラマ化したやつだ。
頭によぎるのを振り切ろうとマンガを見ていたが駄目だ。
ちょっとだけ。
ちょっとだけrioを見たい。
「いつものkenさん。ありがとう」
元気そうだな。
「お兄さんたちが応援してくれて嬉しい。
応援されたわけじゃないんだけど、今日バイト先で
同僚の人と話す機会があったの。
その中で今のrioを振り返るような話が出てね。
変わりたいと思って行動したけど、
変わり方って色々あるんだなって思った。
なんかさrioにあったペースって言うのかな
それが掴めそうな気がしたんだ。
お兄さんたちや他の人とお話してrioは成長してるよ。
本当にありがとう」
そんなこと話たら駄目だろ。
そんなこと話したら見に来てしまうだろ。
俺は君に感謝した。
でも今は気になってしょうがないんだ。
ディスカッションの時に君はrioなのって聞いたらどうするんだよ。
俺は辞めないといけなくなる。
笹本さんや鈴木さんに顔向けできないよ。
破滅だよ。
俺は発泡酒を飲み干し、新しいのを開けた。
なんで見守りたいと思っただけなのに
イケナイ恋にハマっていく気分なんだよ。
さざ波で良かった。
さざ波が良かったんだ。
大波には対応できないよ。
久しぶりに人間らしい気持ちになれて喜んだけど
こんな大波の中歩いていけないよ。
波にさらわれて帰ってこれなくなる。
今から前みたいに心を閉ざしていけるだろうか。
あんなに嬉しかったのに、それしか道は残ってないのか。
たしか、いろんな店舗に行くって言ってたよな。
それまでの間、心を閉ざせばいい。
良し。これ飲んだら寝る。
朝の目覚めは良くなかった。
心を閉ざそうとしているのだ。
そうなるだろう。
普通に働き、ディスカッションの時間を迎える。
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