第16話
挑戦。
それはスキルアップであったり
人間関係であったり
コンプレックスに対するものであったり
人の数だけあって、ドラマ要素もある。
自分なりの高みを目指して己を磨く。
殻を破る。
新しい世界を開く。
素晴らしい。
ワクワクする。
なぜ、俺の成人期に巡り合わなかったのだろう。
巡り合っていたら、流されない人生を送れただろうか。
巡り合っても今ほどの感銘は受けないかもしれない。
流されて後悔したから響いたのかもしれない。
そうだな。
どんな思いも。どんなめぐり合わせも万能じゃない。
そうか。だからドラマになるんだ。
俺の人生では今この時を切り取れば一大変革期だ。
読まなかった女性向けコミックで
自分を考察するなんて考えられないことだ。
それが現実で起こってる。
世界が広がったんだ。
流されてたモブおっさんでも成長していいんだ。
単なる自己解決の自己満足だが素直に嬉しかった。
今日はここまでにして、寝よう。
明日もきっと頑張れるさ。
スッキリと目覚めた。
気持ちがいい。
職場に着くと店長に呼ばれた。
明日から仕事終わりの三十分を
相場さんと店舗運営に関して話し合えと言うもの。
お互い新鮮な目線でのディスカッションを
してほしいそうだ。
相場さんと顔つきあわせて三十分。
きついなぁ。
業務だ。業務。雑念は要らない。
仕事終わり四十分前になった。
憂鬱だ。
それでもスタッフルームに行かないと。
お茶を用意していると相場さんが来た。
「宜しくお願いします」
「こちらこそお願いします。はい、お茶です」
「ありがとうございます。少し緊張しています。
どもったりしたらごめんなさい」
「こちらも緊張してますのでお相子ですね」
「では始めますか」
まずは相場さんの方が先輩なので
相場さん視点で話を聞いた。
やはり女性らしい視点だった。
勉強になると思いながら聞いていた。
だが、それは現在上手くいってる内容だ。
あえてそこに手をつける必要はない。
「店長はこの話し合いに何を求めてるんですかね」
「それは売り上げにつながる新しい提案では」
「そうですよね。
でも今のままでいいところも押さえて話してもいいと思うのです」
「例えば、絵本コーナーだけを考えてみるとかですか」
「それいい案ですね」
「わかりました。毎回話すのですから
スポットを当てていい所と改善点をあげていく。
私はその方がやりやすいです」
なんとか三十分が過ぎた。
「私事ですけど、無理してでも変わろうとしてたんです。
それが普通だと思ってて。
でも何事もメリットデメリットがあると再確認できました。
ありがとうございます。次回もお願いします」
rioを連想させるようなことを言わないでくれよ。
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