第47話
また変な悲鳴を上げながら、ナオくんから離れようと体を後ろへ下げかけて、
「ちょっ、落ちるって」
思ったよりもベッドが狭くて落ちそうになった私を、ナオくんが慌てて抱き締めて支えてくれた。
「……!」
ナオくんの腕に抱き締められているというその事実だけで、何だかもう熱が出そう。
「も、もう大丈夫だから離して……」
何とかそれだけを伝えると、
「……俺に触れられるの、嫌?」
返ってきたのは、そんな寂しそうな問いかけ。
「えっ……」
突然様子の変わったナオくんに驚いて返答に困っていると、
「……嫌だったらちゃんと拒んで」
そんな言葉と共に近付いてくる、ナオくんの唇。
……もしかして、寝惚けて私のことを舞ちゃんと勘違いしてる……!?
「なっ、ナオくん……!」
ナオくんにキスされるのは嬉しいけれど、他の誰かだと思われてされるのは嫌だ。
私が慌ててナオくんの胸を両手で押すと、ナオくんはすぐに私から離れた。
「ゆづ……」
悲しそうな声で呼ばれて、
「あ……」
他の誰でもなく、ちゃんと私だと認識した上での行為だったと今更ながらに気が付いた。
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