第45話

ゆづが俺の服を離してくれそうにないので、俺はそのままベッドの中の、ゆづの隣に潜り込んだ。



「!」



驚いたように俺を見つめるゆづに、



「おいで」



1人用の狭いベッドなので、ゆづがベッドの反対側に落ちないようにしっかりと抱き締めた。



「な、ナオくん……」



腕の中のゆづは、心なしか少しだけ震えているような気がする。



けれど、俺を怖がっているような素振りは見られない。



「うん?」



俺がゆづの声に首を傾げると、



「やっぱり、大好き」



そんな素直すぎる言葉をかけられて、



「……酔っ払いめ。早く寝ろ」



顔が熱くなってきて、それをゆづに見られたくなかった俺は、リモコンを使って慌てて部屋の明かりを消した。



「もう酔ってないのに」



暗闇の中で聞こえたそんな小さな声には聞こえなかったフリをして、俺はきつく目を閉じる。



誰かを抱き締めて眠ったのはこの日が初めてで、だからなのか、



「……っ」



相手はゆづなのに、とてもドキドキした気がした。

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