第42話

俺が“女友達”に出している条件というのは、本当は一つだけではない。



唇同士のキスをしないということ以外にも……



ヤる場所はラブホか、女側の部屋で。



俺の部屋には絶対に近寄らせない。



あとは、俺の彼女面をして俺の周りの女の子に嫉妬や嫌がらせをしないこと。



電話やメッセージを無視しても、催促や束縛をしないこと……などなど。



それが嫌なら俺に関わらなければいいと思っているし、それでもいいと言うのなら抱いてやるだけ。



女のご機嫌取りなんか絶対にしてやらない。



来るものは拒まないけど、去るものも絶対に追わない。



我ながら、救いようのないクズだと思う。



自分の部屋に上げたくないのもをしていると舞にバレたくないから。



でも、舞にバレるよりも……



ゆづにバレてしまったことの方が気まずいというか、初めて胸が痛んだ。



それがなんでなのかは、俺にも全然分からないけど。



とにかく、こんな最低な俺の傍に、ゆづはいるべきじゃないって思ったから突き放したのに。



ゆづの友達の梨乃ちゃんから、ゆづが合コンに行くことになったと聞いた時は――



仕事も何もかもが、手に付かなくなってしまった。

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