第36話
「ゆづ、明日の予定は?」
突然話題を変えられ、一瞬きょとんとしてしまう。
「学校は休みだから朝からバイトだけど」
「朝早くに帰っちゃう?」
少し寂しそうに見えるナオくんに、また胸が締め付けられる。
「そんなに早くなくて大丈夫だけど……」
私の答えを聞いて、ナオくんはやっと安堵の表情を浮かべた。
「そっか。俺も明日は遅番だから、朝メシは一緒にゆっくり食えるな」
「あ……」
この間泊めてもらった時は、折角ナオくんが用意してくれた朝ごはんも食べずに飛び出したから。
「二日酔いで気分悪かったら、無理にとは言わないけど」
言われて、そういえば頭が痛かったことを思い出す。
ナオくんと話していると、体調不良だったことすら忘れてしまえるくらいに元気になれる。
「冷蔵庫の中に二日酔いドリンクあるけど、飲む?」
ナオくんは私の答えを聞くよりも先に立ち上がって、キッチンの冷蔵庫に向かった。
ウコン配合のドリンクの小瓶と、グラスにたっぷりと注がれた水を持って戻ってきたナオくんは、また私の隣に座り直す。
ナオくんが何故かニヤニヤ笑っているのが少し気になるけれど。
そんなナオくんに勧められるがままに、私は二日酔いドリンクを一気に
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