第25話
そうして梨乃ちゃん主催の合コンの開催日は、あっという間に当日を迎えてしまった。
金曜日の放課後、一旦自宅に帰って身支度を整え直してから、梨乃ちゃんとよく利用しているカフェで待ち合わせをした。
梨乃ちゃんによると、相手の男の子たちはどうやら同じ学校の調理師科の子たちだそう。
この前、バイト先のお店の前で待ち伏せをしていた男も調理師科の生徒だと名乗っていたので、アイツが来ていたらどうしようかと思ったけれど――
実際に会ってみると、それらしい人物はいなくてホッとした。
クラスの仲のいい女友達を他にも2人誘って、男性4人女性4人の合計8人で、私の人生初の合コンが開催された。
順番に自己紹介をして、
「ね、君ってあの有名な森川さんだよね?」
男性陣のうちの1人が、開口一番にそんなことを言い出した。
よく言われる台詞なので、別に大して驚きはしないけれど、
「……有名、とは?」
とりあえず、笑顔で首を傾げてとぼけることにする。
「ほら。男たらしでビッチだって噂の!」
何の悪びれもなく堂々と指を差された。
……おい。初対面でいきなり失礼なヤツだな!
と怒鳴ってやりたいのを必死で堪えていると、
「おい。初対面の女の子に向かっていきなり失礼なこと言うなよ!」
無礼男のすぐ隣に座っていた爽やかな雰囲気の男性が、そいつをピシャリと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます