第24話

梨乃ちゃんは、ナオくんの働くお店に一緒にランチに行ったこともあるから彼のことは知っているし、私が彼に片想いをしていることも知っている。



「じゃあ、もう直人さんのことは諦めるの?」



簡単にそんなことを聞いてくれるけど、



「……あんなに全力で拒絶されたら、諦める以外の選択肢なんてないじゃん」



本当は私だって諦めたくはない。



「うーん……じゃあさぁ」



前方に見えてきた校舎をぼんやりと眺めながら歩いていた梨乃ちゃんは、不意に私の顔を覗き込む。



「結月のために合コン開いてあげる!」



「は……?」



ナオくんのことで悩んでいるのに、合コンを開かれても何の解決にもならないのですが。



「失恋の悲しみは新しい恋で埋めるしかない! 新しい出会いよ!」



私本人はいいとも何とも答えていないのに、梨乃ちゃんは何故か俄然やる気満々だ。



「とにかく私に任せて!」



「はぁ……」



よく分からないけど、とりあえず皆でわいわいご飯が食べられるなら、少しは気が紛れるかなぁ……とプラスに考えることにした。

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