第23話
ナオくんの部屋を飛び出した私は、そのまま真っ直ぐに自宅アパートに帰った。
どんなに泣き腫らしてブサイクな顔になっていようが、私には専門学校生としての務めがある。
一流パティシエになるという夢を叶えるためには、学校に行って勉学に励まなくてはならない。
昨日と同じ服を着て行くわけにはいかないので、ナオくんとケンカをしなかったとしても、一旦帰宅するつもりではいたけれど。
洗い上がりの私服に着替えて、軽くメイクもして、
「……まぁ、大体よし」
瞼の腫れはあまり誤魔化せなかったけれど、これは仕方ない。
諦めて出かけることにする。
バスに乗り、学校の最寄りの停留所で降りて、学校までの道のりをてくてくと歩いていると、
「結月〜!」
同じクラスの友人・
「あ、梨乃ちゃん、おはよー」
私が振り返ると、
「おはよーって、目どうしたの!?」
梨乃ちゃんは私の顔を見るなり、驚きで目を見開いた。
「美人が台無し!」
美人と思われていたらしいことが嬉しくて、
「えへへ、ありがと〜」
へらっと笑ってみせると、
「いやいや、今のは褒めてないから!」
梨乃ちゃんは慌てて顔の前で手を振った。
とりあえず歩きながら、失恋したということだけを梨乃ちゃんに伝える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます