それでもやっぱり、あなたが好き
第17話
散々泣いてからシャワーを終えて、ナオくんから借りたスウェットを着る。
大きくてブカブカのそれは、
「……」
きっと、ナオくんの恋愛観を知る前の私だったら、
彼シャツならぬ彼スウェットだー!
とか言って1人で浮かれていたはず。
でももう今の私は、全然浮かれてなんかいない……はず。
はずなのに。
大好きなナオくんの香りに包まれて、凄くドキドキしてしまう。
びしょ濡れの髪の上からバスタオルを被って、赤く染まった顔を隠しながらバスルームを出た。
リビングに戻ると、そこではソファーの上に枕と毛布を敷いて寝床を作っているナオくんがいて……
「シャワー、お先です」
お世話になっているのは事実なので、とりあえずお礼を告げた。
「……髪、乾かして来なかったの?」
ナオくんは少しだけ驚いたように私を見て、
「バスルーム早く空けなきゃと思って」
「何、遠慮なんかしてんだよ」
また呆れた声を出しながら、リビングの入口に突っ立ったままの私に近付いてきた。
ナオくんに顔を見られたくなくて、顔の前でバスタオルの両端を強く握り締める。
「ゆづ……?」
必死の抵抗も虚しく、頭に被ったバスタオルはいとも簡単に脱がされて、
「……え」
ナオくんに、真っ赤に染まった泣き顔を見られてしまった。
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