第13話

「ゆづ、お前……意味分かって言ってんの?」



先程まで溢れ出そうだったナオくんの涙はすっかり引っ込んだようで、今度は完全に呆れた表情をしている。



その表情のまま、また私のすぐ隣に座り直してきた。



「子供扱いしないでよ! ちゃんと分かって――」



ムッとした私の言葉は、それ以上続けることが出来なかった。



ナオくんが私の肩を乱暴に抱き寄せて、



――そのまま、ナオくんの唇が私の唇を乱暴に塞いだから。



「……!?」



驚いて目を見開いたまま固まる私に、



「……キスの間くらいは目閉じとけよ。色気ねぇなぁ」



そっと唇を離したナオくんは、相変わらず呆れた眼差しを向ける。



そんなことを言われても……



「……キスなんて、初めてしたもん……」



蚊の鳴くような声で訴える私に、



「え……」



ナオくんの手が、弾かれたように私の肩から離れた。



「……セフレって、キスよりももっと凄いことするけど」



確認するようなその声に、



「知ってる」



私は恥ずかしくて、短く答えることしか出来ない。



「……キスも初めてってことは、処女ってことだよな?」



そんな恥ずかしい質問には――

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