第81話

「……痛い?」



友季がゆっくりと動きながら恐る恐る訊ねると、



「わ、かんない……でも、何か……嫌」



「……」



嫌と言われて、友季は落ち込んだ。



舞とより深く交われた気がして、嬉しいと思っていたから。



「トモくんの、顔が見えないのは……やだ……怖い」



そんな舞の涙声を聞いた友季は、舞の体の向きを変えさせて、先程と同じ体位で舞と繋がり直す。



「……あっ……」



恥ずかしそうに手で口を押さえて声を我慢する舞に、



「舞の可愛い声、もっと聞かせて」



友季は優しい笑みを向けた。



舞の両手を掴んで、そのままきゅっと優しく握って手を繋ぐ。



「……意地悪」



舞に涙目で睨みつけられて、



「うん。ごめん」



背筋がゾクゾクと震えた友季は、そんな謝罪する台詞とは裏腹に、腰を何度も深く沈める。



「……は、ぁっ…」



舞の甘い吐息に、



「舞……っ」



我慢が出来なくなった友季の動きは、だんだんと激しくなっていった――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る