第58話

「うーん……くっきりはっきり残ってる……」



友季の所で1泊した舞は、その翌日はそのまま友季の部屋でDVDを観たりしてのんびりと過ごしていた。



本当ならもう1泊していきたかったけれど、生理中なので自分の部屋の方が安心出来るだろうと言って、友季が舞のアパートまで送ってくれたのだが。



帰宅して入浴した際に、体中の至る所にキスマークを付けられていたことに、この時になって初めて気が付いた。



胸には当たり前のように沢山付けられていて、二の腕の内側や内太ももにまで付けられていた。



そんな簡単に消えるものではないと頭では理解しつつ、



「少しも薄くなってないなぁ」



翌朝の自室でパジャマから通勤服に着替える際に、姿見鏡で全身をチェックする。



下着のみしか着けていない舞の体には、花びらを散らしたかのように点々と赤い印が刻まれている。



流石に服で隠せる場所にしか付けられてはいないが、それにしても凄い数だ。



まるで独占欲の塊のような友季を、それでも怖いとは思えなくて。



舞の素肌に優しく触れながら唇を落としていた友季の熱い吐息を思い出して、



「……っ」



体の奥がキュンと熱くうずく。

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