第51話

「……俺も、そろそろ風呂入ってこよ」



体を起こし、舞からそっと離れた友季はフラフラとバスルームに向かい、残された舞は、



「……」



未だにドキドキしている胸を手でそっと押さえた。



(……キスしかしてないのに、体が熱い……)



気だるいはずの体が、その先を期待して熱を帯びている。



今までに友季とをしたのは、ほんの数回だけで、まだまだ全然慣れていないはずなのに。



生理じゃなければ……なんてつい思ってしまったのは――舞自身も、友季を求めているということなのか。



「……トモくん……」



毛布の中で熱くうずく体を自分の腕でぎゅっと抱き締めながら、友季の熱を思い出そうとする。



途端にお腹の奥がキュンと疼き、



「う……痛い……」



生理痛を助長してしまったのか、舞は今度はお腹を押さえて小さく呻いた。



生理の時でも、お風呂でしているカップルもいると聞いたことがあるけれど。



多分、舞の場合は痛くてそれどころではなさそうだ。



それに何より、友季に経血を見られたくはない。



今日は我慢すると言ってくれた友季のお言葉に甘えるのが、きっと一番いい。



そんなことを考えながら、舞はいつの間にか微睡まどろみの世界へとちていってしまった。

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