第47話

鎮痛剤はいつも持ち歩いているので大丈夫。



ナプキンは――もしもの時のために用意してあるのが昼用の2つだけ。



夜用のが欲しいけれど、流石にそれを友季に頼むのはどうかと思う。



「あの……コンビニまで車で乗せて行って欲しいな」



歩いて行ける自信がなかったので、そうお願いしたのだが。



「俺が行ってくるから、舞は休んでていいよ」



友季はそう言うと、寝室から持ち出した毛布で、リビングのソファーに座っている舞の体を包んでくれて。



「それとも、ベッドで寝てた方がいい?」



「今はここでいい。ありがと」



舞は友季の優しさに感動しつつ、



「でも、分かりにくい買い物だし、申し訳なくてトモくんには頼めないよ」



そもそも“ナプキンが欲しい”だなんて、友季に伝えることすら恥ずかしいのに。



けれど、



「あー……パッケージの写真とか見せてくれたら同じの探してくるけど」



舞が何を欲しているのか、友季にはバレてしまっているらしい。



「……」



観念した舞は、スマホを操作して欲しい商品のパッケージ画像を検索し、そのスクショを友季のスマホへと送信した。



似たようなパッケージでも、羽つき・羽なし、サイズの違いなどあるのだが、もうこの際何でもいいやと思うことにする。



「……羽つきで30cmだな」



普通、男の人なら気付かないであろうその重要なポイントを、何故か友季は瞬時に理解していて。

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